よさこい文化協会について

ごあいさつ

1954(昭和29)年に始まった「よさこい祭り」は、いまや「世界のよさこい」としても成長し、国内外に広がり続けています。しかしながら、その“原点”についてはあまり知られることなく、当時のことを知る関係者も数少なくなっています。「正調よさこい鳴子踊り」のルーツや作曲家・武政英策氏の残した土佐の風土に根ざした楽曲の数々も忘れ去られようとしています。

当協会は、今いちど“よさこい祭り発祥の地”として祭りの原点を捉えなおし、「よさこい文化」を次世代に引き継ぎ、将来的には「正調よさこい鳴子踊り」の無形文化財指定を目指すべく、高知県日本舞踊協会の全面協力のもとに設立されました。

高知が世界に誇るよさこい祭りは、武政英策氏が語った「民衆の心の躍動」をベースに多くの人と人、人とモノの物語を繋いできました。いまその原点を振り返ることは、単に過去を懐かしむことではなく、未来へ向けての助走であり、次代を担う子どもたちへバトンを手渡していくことに他なりません。
今はまだ手探りの状態ではございますが、今後は活動を記録しつつ、幅広く情報を発信し、高知の大切な文化、よさこい祭りの発展に寄与していきたいと考えています。

ぜひ当協会の主旨や活動にご賛同いただき、多くの皆さまのご協力を賜れれば幸いです。

よさこい文化協会
代表 若柳 由喜満

運営組織

1.設立主旨 
 1.よさこい祭りの原点をとらえなおし、「よさこい文化」の保存・継承を行う
 2.その活動を通して次代を担う国際的な人材を育成する  
 3.原点としての「正調よさこい鳴子踊り」の無形文化財指定を目指す 

2.設立年月日  
 2020年2月 

3.活動内容 
 (1) 正調よさこい鳴子踊りの保存・記録・継承・活用 
 (2) 鳴子にまつわる歴史の発信とその活用
 (3) 武政英策さんの音楽・音源の保存・記録・活用  
 (4) よさこい文化の情報の受発信 

4.組織 
  代 表     若柳由喜満(高知県日本舞踊協会副会長) 
  副代表     岩井正浩 (神戸大学名誉教授╱高知県須崎市出身)  
  顧 問     花柳昌延 (高知県日本舞踊協会会長) 
  顧 問     森田繁広 (武政英策氏甥) 
*高知県日本舞踊協会と武政英策さんのご遺族の全面的なご協力を頂いています
*2020年度の活動については(公財)高知県文化財団の助成を受けています
*こうちミュージアムネットワーク加盟団体

代表者プロフィール

若柳 由喜満(わかやぎ・ゆきみつ) よさこい文化協会代表



1954(昭和29)年に始まった第1回よさこい祭りに若柳連中で参加。日本舞踊五流派がつくったとされる「よさこい鳴子踊りの原点」を継承している。
2019年夏、高知県日本舞踊協会が協力してよさこい祭り前夜祭を開催。”幻の踊り“とされる初回のよさこい鳴子踊りを再現した。 同年秋、東京で開かれた「よさこい情報交換会」(高知県など主催)でも海外メディアなどに対し、その魅力を発信。
土佐のお座敷文化に精通し、土佐芸妓を復活させた立役者でもある。舞踊公演で受賞歴多数。
2020年よさこい文化協会代表に就任。

【略歴】
 1950(昭和25)年 日本舞踊若柳流・ 若柳吉喜満(わかやぎ・きちきま)師入門
 1954(同29) 年  第1回よさこい祭りに小学生で踊り子として参加
 1956(同31) 年 若柳流名取
 1957(同32) 年 小唄名取(田村とよ由紀)
 1962(同37) 年 若柳流師範
 1963(同38) 年 常磐津師範名取(常磐津三郎由紀)
 1967(同42) 年 自宅にて日本舞踊教室を開く
 1973(同48) 年 小唄師範
 2015(平成27)年 高知県日本舞踊協会副会長
現在、日本舞踊若柳流常任理事、小唄田村流常任理事、日本舞踊協会高知県支部副部長、高知県日本舞踊協会副会長、高新文化教室講師(日本舞踊、三味線、小唄)を務めている。

【受賞歴】
 1981(昭和56)年 高知県知事賞(「月山」)
 1985(同60) 年 高知市長賞(「鐘」) 
 1993(平成5) 年 高知県知事賞(「茶壺」)
 2006(同18) 年 高知県知事賞(「菖蒲浴衣」、無鑑査) 他

副代表者プロフィール

岩井 正浩(いわい・まさひろ) よさこい文化協会副代表



音楽人類学・民族音楽の研究者として、よさこい祭り、四万十川流域のくらしと音楽、第1次世界大戦ドイツ兵俘虜の音楽活動、黒潮の民のパフォーミング・アーツなど多くの論文・著書を発表。
隣県徳島で阿波おどりや無形文化財保護などにも携わり、よさこい祭り生みの親である武政英策の音楽についても研究予定。
2020年よさこい文化協会副代表に就任。

【略歴】
1945(昭和20)年高知県須崎市出身。神戸大学名誉教授。
愛知淑徳大学非常勤講師。音楽人類学専攻。
東京芸術大学研究員、ハンガリー・リスト音楽院研究員、国立民族学博物館共同研究員、徳島県文化財保護審議会委員、日本民俗音楽学会会長を経て、現在『「板東俘虜収容所関係資料」ユネスコ「世界の記憶」』調査検討委員会委員。
「徳島賞」(徳島県2016年)、「地域文化功労賞」(文部科学省2019年)受賞。

[よさこい関連論考文献等]
1.「音楽行動としての祭り~現代人の<癒し>行動」
2.「よさこい鳴子踊進化論序説」
3.「よさこい鳴子踊り進化論(2):2002年・高知」
4.「よさこい鳴子踊り進化論(3):第50回よさこい祭り」
5.「よさこい鳴子踊り進化論(3):第50回よさこい祭り」
6.「よさこい鳴子踊り進化論(4):100回大会への序曲」
7.「よさこい鳴子踊り進化論(5):「上町」の地方車から」
8.「よさこい鳴子踊り進化論(6):「帯屋町」の地方車から」
  ー神戸大学発達科学部研究紀要
9.「よさこい鳴子踊り進化論(7):町内会・商店街チームの展開」
 ー神戸大学人間発達環境学研究紀要
10.「子どもたちの夏①:高知市南海中学校のよさこい祭り」
11.「子どもたちの夏②:高知市子ども会連合会のよさこい祭り」
 ー愛知淑徳大学教育学研究科論集
12.『エイサー・阿波おどり・よさこい祭りにおける民謡・民俗芸能の継承・創造の現代的展開』
 (科学研究費報告書)共著 島印刷
13.岩井正浩編「高知よさこい祭り」神戸大学発達科学部授業『民族音楽調査論』報告書
14.「盆踊り考」 民族芸術-1
15.「村おこしと民俗芸能」 民族音楽叢書-10
16.「よさこい祭りの国際化と正調の共存的進化」『Musicology and Globalization』
17.「よさこい・そーらんのダイナミズム」『Studies Forum Series 25』 中部高等学術研究所

[主要著書]
1.合唱組曲「石鎚」 [監修・作曲・編曲] 音楽の世界社
2.わらべうた~その伝承と創造 音楽之友社(全国図書館協会選定図書)
3.ハンガリーの音楽教育と日本 音楽之友社
4.子どもの歌の文化史~二十世紀前半期の日本 第一書房
5.これが高知のよさこいだ~いごっそとハチキン達の熱い夏 岩田書院
6.わらべうた~遊びの魅力 第一書房
7.藤井知昭・岩井正浩編『音の万華鏡・音楽学論叢』岩井正浩教授退官記念論文集] 岩田書院