【きいて知る】濱口賀世さんが語る!父・濱口八郎の物語⑧

▶濱口八郎さんが今、もし生きていたら…


晩年の濱口八郎さん。よさこい祭りをこよなく愛していた

―最後にお聞きしたいんですが、もし、今、八郎さんが生きていらっしゃったら、今のよさこいを見てなんておっしゃると思いますか?

 
 
そうですね。今のよさこいって、私が思うに、とてもバランスがいいと思うんです。ほっこりしたチームとか、躍動感のあるチームとか、自由奔放なチームとか、子どもさん身体障害者の方とか、原点を守っているチームとか、いろいろ出てきているじゃないですか。当時、國友須賀さんが、ダンスを取り入れてよさこいを革新的に変えられた時も、すごく褒めていたんです。なんでもいいから、どんどん広がるようにしないと。日本舞踊の人間じゃないと踊れないとか、よさこいを知っていないと踊れないとか。そんなんだったら広まらないって。だから、とても喜んでいると思います。父自身が、「これがいかん!」ということは言わないタイプで、とにかく後ろを振り返らないで、先に先に行かないかんっていう人だったので、喜んでいると思いますよ。 
 

―じーんとしちゃいました。 

 
だから、県外の人にもどんどん来てもらったらええ、世界にもどんどん行ったらええってずっと言ってましたから。フランス(ニース)遠征で荒谷深雪さんが始めるときも、とても賛成でしたね、若い人が、失敗してもいいやんか、やってみたえいって。なので、これがあかん、いかんやなくて、よさこい節と前へ進むのと鳴子を持つことを大切にして、どんどんやっていったらいいって言うと思いますね。


親から子、子から孫へ、土佐のお座敷芸を引き継いで。自ら考案したおしぼり芸を孫で若女将の
咲良さんと披露する濱口賀世さん (高知市唐人町の料亭・濱長)

(聞き手=芳村百里香)
(了)