【おどって知る】「原点よさこい鳴子踊り」みさと幼稚園で初講座!②

そろり、そろり…すり足で 日本舞踊の所作にもチャレンジ


1954(昭和29)年に始まったよさこい祭りでは、高知の日本舞踊五流派の師匠が知恵を出し合い、土佐の風土に根差した「よさこい鳴子踊り」の振り付けを考案、はじめて街頭で披露しました。その後、よさこい鳴子踊りは、「正調踊り」と呼ばれるものも含め、より自由で多様なものへと変化し、国内外に浸透していくことになります。

こうしたことから、よさこい文化協会では、その初回のよさこい祭りで1回だけ披露された、“幻の踊り”を「原点のよさこい鳴子踊り」と位置づけ、土佐のお座敷文化の継承とともに、次代を担う子どもたちや後世の方々に、引き継いでいただければと考えています。

高知市のみさと幼稚園で初めて開催した出前講座も、その一環。同市の三里地区は、よさこい鳴子踊りの楽曲をつくった故武政英策さんが、終戦直後初めて、「砂地メロディアン」と呼ばれる市民楽団を、地域の皆さんと一緒に結成し、音楽活動を始めたゆかりの地です。
0歳児から5歳児までが通うみさと幼稚園は、毎年、よさこい祭りに40回近く参加してきた常連さんですが、例年、炎暑での演舞を余儀なくされることから、園児の体調などを考慮。2019年の第67回大会を最後に、祭りへの参加を取りやめることを決めたそうです。
その代わり、今後、地域の祭りなどで、長く園児の皆さんがよさこい鳴子踊りを披露できるようにと2020年度、踊りや曲を全面リニューアル。同園ならではのよさこい鳴子踊りをつくっていこうと、子どもたちと一緒に考えていく取り組みを続けています。そうした中で、「子どもたちがよさこいの原点に直接、触れる機会をと」、よさこい文化協会とともに講座を開催することになりました。



講座は、コロナ対策から、年中・年長組の2組に分かれて、それぞれ開催。三味線を手に着物姿の若柳由喜満代表、由喜富后さんが登場すると、子どもたちはわくわくドキドキ。
原点のよさこい鳴子踊りは、ひとつひとつの動作や所作が一般のダンスとは違い、背筋をすぅーと伸ばし、重心を低くして踊る、お座敷などで披露されていた、日本舞踊をベースとしています。
「ハイ、にほんぶようの、きほんのしせい、どうぞ~」。由喜富后さんが優しく問いかけると、子どもたちはすり足で、そろり、そろり…。「そうそう、あたまの上に本をのせてると思ってくださいね」「じょうず、じょうず!みなさん、はなまるでーす」。由喜富后さんにほめられると、みんな、にっこり。
男踊りと女踊りの足の上げ方の違いの説明では「むかしは、着物をきていて、今みたいにパンツのようなもの、はいて、いませんでした」「だから女の人は、はずかしいので、男の人のように足を高く上げないように、おどりました」。
子どもたちは、ふむ、ふむ、ふむ…。日本舞踊ならではの所作もあっという間にマスター⁈していました。
                                

(次回に続く)